入院して暇なのでポエムを作った

題名    せっけんの生涯


私はせっけんである。生まれて1か月半くらいだ。

坊主頭の主人の為に体を洗い、頭を洗い、私の体はだいぶ小さくなった。

このまま消えて無くなる運命なのか。一度はかわいい女の子に洗ってもらいたかった。

ある日、主人は後輩のせっけんを連れてやって来た。

後輩せっけんの自信に満ち溢れた体格は、惨めに薄っぺらくなった私にとって恐怖でしかない。

主人は私と後輩せっけんをお湯で擦り付け、ぎゅうぎゅうとくっつけた。

数時間経ち、私の体は完全に後輩せっけんと一体化した。

かわいい女の子には出会えなかったが、坊主頭の主人に仕えてきた生涯も、悪くなかったと今では思っている。